【太極拳についての基礎知識】
太極拳は、清代(1616年~ )の初期に、民間武術家王宗岳により、易経の太極陰陽の哲理に基づいて系統化されたとされており、彼の著した《太極拳論》から、太極拳という名称が確定したとされている。
効果としては、
- 武術としての太極拳
独特の、ゆったりとした動作から、実用的な武術ではなく健康体操と捉えられる場合が多いが、太極拳は防御と攻撃が一体化した、非常に高度に系統化された中国武術です。その基本的な攻防戦術は「柔をもって剛に克つ」ことであり、「己を捨てて人に従う」(捨己従人)ことであるとしている。 太極拳の動きの特徴である"円運動"により、相手の攻撃を受け流し、無力化することで相手の戦意を失わせることがその奥儀である。 - 太極拳の流派
陳式、楊式、武式、呉式、孫式の5つの伝統式太極拳と太極拳普及のために中国政府が命じて制定された制定拳がある。 - 太極拳の健身作用
武術として誕生し発展してきた太極拳であるが、近年はその併せ持つ健身作用が広く認知され、健康維持のための愛好者も年々増加の傾向にある。
効果としては、
- ゆっくりとした動きと深い呼吸により、精神を安定させ、日常生活の緊張やストレスから解放させる働きをもつ。
- 柔らかく連貫性のある動作を行うことにより、硬直した筋肉や関節を和らげゆるめて、疲労を回復し、肩こりなどの解消をはかる。
- 動作において意識を高度に集中させるため、大脳皮質への血行が良くなり、脳が活性化される。
- 姿勢を中正に保ち、肩を沈めリラックスして動くことから、背骨の曲がりや、腰の歪み、首の傾き、いかり肩などの姿勢の体癖を自然のうちに無理なく矯正する。
- その他にも、血圧を下げたり、安定させる。足腰が強化されバランス維持力も高められる。
- 自分の体力に合った運動量を調整できるので、老若男女誰でも生涯スポーツとして楽しめる。